忘れたくない

短歌

君たちの背に降り捧ぐる雨だけがふたつの世界を繋いでいる

正義と祝祭のプレリュード
カンバスを分かつ絵の具の境界線 ひとりぼっちに揺れる陽炎
久堅の天翔あまがけりてはくだす慈雨 棚引く霞に彼方を望む
ひとりでに蠢めく紅玉ルビーは探してる白くはためくあの日の裾を
目の前の同じかたちの男が唱えた一言 世界が変わる
風ひとつ 姿変えゆく砂の地の千代をはじめようかプレリュード

オズ
茫々と朽ち果ててゆく術もなく伸ばした腕は空も掴めず/折句-ヴォクスノク

スノウ
細糸で繋いだ先で見るものは水面みなもに映る自分自身か

スノウ+ホワイト
あの星の向こう側すらふたりのもの繋いだ手から月は零れた
呪われた少しの夢を無理矢理に憎もうとしても朝日が照らす/折句-ノスコムニア

フィガロ
ポケットに詰め込んでいた屍が出口探して温度を上げる/折句-ポッシデオ

ミスラ
氷面で綻ぶ花弁の温もりが足元溶かしステップ誘う

オエ∞カイ
朝焼けにカナリアが鳴く夏の日に飲む紅茶には砂糖は要らない